たった$50!1953年製シボレー

私がアメリカの大学院に留学した時、固定為替レートで1ドル360円だった。留学前に必死に貯めた日本円をドルに換えたら3,000ドルにしかならなかった。留学を完成させるためにはほど遠い金額だったが、とりあえず学費は全額奨学金が出る約束だったので、何とかなるだろうと思い、渡米した。大学院はBoston にあったが、学校が始まる前の3カ月、友人のいる Chicago に滞在し、アルバイトをした。少額をかせぎながら留学に備えようとしたが、アメリカでは何をするにしても車が必要であることがわかった。でもどんな中古車でも買う余裕はなかった。シカゴに滞在していた時、隣に住む老夫婦と親しくなり、ある晩食事に招かれた。その時彼等の車庫にいかにも古そうな車が置いてあったので、「誰か使っているのか」と聞くと、「約20年前の車(1953年製の Chevrolet)だが、妹が病気になり何年も車庫に置いたままになっている」との答が返って来た。試しに「売るつもりはあるか?もしそうならいくらで?」と聞くと、「実は近くの高校生が75ドルで欲しいと言っているが、あなたなら50ドルで譲ってもいいよ」との返事だった。50ドルは私にでも手が出る金額だったので、すぐに買う決断をした。さびに覆われていたので元々の色がわからなかったが、ワイヤタワシでこすったら緑色の車に変身した。更にワックスがけをしたら、光沢が出てきて車らしくなった。車体は戦車のように厚く又重かったが、乗り心地はまあまあだった。いよいよその車でBoston に移動する時が来た時、その老夫婦は「何を考えているのか?この車で Boston に行くことが最初からわかっていたら、決してあなたに売ることはなかっただろう」と言って驚き又怒った(シカゴからボストンまで1,582キロ。札幌市から長崎市までの距離と同じくらいである)。でも3日かけ無事に Boston に辿りつくことができた。

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